マクロレンズというとどうもこの、買う前に効果が分かりにくいというか、
手が伸びにくいのであります。
しかしその実力を知っている人は、「いいかもしれない」と欲情を抱くのでありましょう。
とはいえズームレンズなどでも随分接写ができるようになると、ついつい手が伸びなくなってくるけれど、以前AF Nikkor 60mm/2.8を使ったことがあり、ズームレンズの接写などはお話にならないし、単焦点レンズの接写よりもはるかにきちんと写っており、なるほどマクロレンズというのは存在意義があるワイと思った次第である。
一般的に望遠の威力は理解され易い。
運動会などでも我が子が走っているところの表情が大写しに写り「そう」である。
遠く離れたカワイコチャン(死語)が撮れ「そう」な気がする。
しかし普通に家庭で撮り易いのは広角レンズや大口径レンズであったりする。
さて家庭用でマクロレンズというのは中々で番が無い。
近接時に画質が良いとはいえ、普通のレンズで十分撮れたりするからだ。
デジカメ時代になって、接写性能はフィルムカメラ時代とは比較にならぬくらい上がった。
コンパクトデジカメなどレンズの先端から1cmなんてのはざらにある。
今メインに使っている1眼タイプのパナソニックのGH1に20mm/1.7のコンビでも20cmまで接写でき、全く接写性能には不足を感じていない。さすがに非球面レンズだけあって像がぼやけない。
こんなわけであるから、なんか違いが分かる男が使いそうなマクロレンズも、どうも手が伸びなくなってくる
しかし、事件は起きた。
web上で交流させていただいてる方のブログにこんな記事が。
http://rikkie.air-nifty.com/camera/2011/05/post-f4a1.html
ありゃりゃ、いい!いいぞ!!よく写ってる(これも死語だなぁ・・・今みんな良く写るから)。
バケペンの方が私のように手持ちしかしない人間(これはポリシーではなくモノグサである)にはバケペン
(PENTAX 6x7)の方が合っているのだろうけれど、なにしろカメラに興味を持った(と同時にクラシックカメラに興味を持った30年以上前の1980年頃からつもりに積もったRB67への思慕の情はいかんともしがたく、バケペンの優秀さや使い易さ、ブレなさ、レンズの優秀さはわかっていても、RB67へ走ってしまう。
またRB67は7x7もしくは8x8cmの画面に対応しているため(実際は8cm弱の7.6cmだが)に対応し、その分バックフォーカスが長い分、広角レンズには不利でもある。
であるから標準域の90mm(35mm判では44mm相当)でも相当大きなサイズで、RB67プロSDの世代のKLレンズになると90mmにもフローティングシステムが採用され、実に物々しいこととなる。
そんなことはわかっていてもRB67への思慕の情は断ち切れないし、バケペンにマクロだったらこっちはRBにマクロだぁ!!と妙な妄想にハマッタ。
しかし、わたしも永い間カメラ欲しい病を病み、少しは免疫が出来ているのだ。
どれくらい使うだろうか。。。と妙に冷静になってみる。
そしてもともと接写に強いカメラでもある。
標準の127mmの新しいKLレンズの接写で私は不満足を感じるかどうか疑問であった(不満足など感じるわけが無かった)。
しかしこれはプロが大量に廃棄し、中古が大安売りとなったいま、お安く目の前にあった場合お迎えせずにいられるだろうか。
少なくとも、老後を当家でお引き受けする以外に考えが及ばない。
新たなKLレンズでなくとも良かったのだが、KL以前のCレンズもマクロの出物が少なく、格安というわけに行かない上に、中玉に白いブツブツの出たものが多かった。
KLのマクロが2諭吉で目の前に出現した時は目がくらんだ反面値段の高さに冷静にスルー。
しかしこの風雅なカメラでマクロという妄想は膨らむばかりで、次に1諭吉1一葉1英世強でよい状態のものが出たときには予約してしまったのだ。
KLレンズのフローティングシステムの設定のリングには撮影距離が指標となり、撮影距離に応じて設定するが、このマクロレンズにはレンズボードの繰り出し量がmm数で書いてあり、0mm(無限大)から40mmまで、次には接写リングのNo.1を使った場合のレンズボードの繰り出し0mmから40mmまで、その次はNo.2を使った時の0-40mmまで、、、と
なっている。
1966年のフォトキナにおけるセンセーショナルな話題といえば、ライカがNoctilux 50mm/1.2に非球面レンズを初めて実用化したことと、ニコンがNikkor N Auto 24mm/2.8のためにフローティングシステム初めてを導入し、近距離の撮影結果を大幅に良くしたことであった。
この後ニコンのNikkorレンズの高級広角レンズはフローティングシステムを導入し、近距離でも結像性能が良いマクロレンズの様相を呈する(35mm/1.4、28mm/2など)。
KLレンズの90mmもフローティングシステムだからマクロレンズのように近距離の結像性能は良いはずだ。
しかし前記の理由でレンズの構成は複雑で枚数も多くなり、シンプルなガウスタイプのマクロレンズは魅力的に映った。
ちなみにRB67のレンズで一番シンプルな構成のものは古いタイプでなく、新たなKLレンズにあり、KL180mm/4.5はテッサータイプ(3群4枚)で、そんなことを聞くとまたテッサータイプの切れ味を期待し妄想が膨らむ。
Cレンズ時代の180mmは3群5枚のヘリアータイプである。これも妄想が膨らむがこちらは今の所中古でも安くあったりして実現は比較的容易い。
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2011/11/20(日) 15:09:06 |
放)KL140mm/4.5Macro(MAMIYA RB67)
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蒲田のカメラ屋さんにタクマー58mmf2と言うレンズがさりげな~く中古の棚に出ていた。
これは紛れも無く現在までも生き残っているPENTAXの初代機のオリジナルのペンタックスの標準レンズである。このカメラからペンタプリズムを搭載し、PENTAXというカメラ名になったが1眼レフとしては上からのぞくウエストレベルのアサヒフレックスを出していた。
この頃のレンズ((この初代機は1957年)を使ってみたくて¥3.800という、まぁもう少し安いとありがたいが、ちょっと無理して手を出してしまう値段に負け「ちょっと見せてください」と棚から出してもらった。
光学系は大変キレイ。
でも、58mmというのはアサヒフレックス時代はf2.4だしPENTAX以外はこの初代PENTAXのf2以外に無かったのではなかったか。
「これボディー無かったの?」と言ったところ店員さんがいきなり表に出てジャンクや特価品を入れている籠から黒いケースを持ってきた。
ああ、ケースはあるのか・・・と半ば落胆したら、なかにカメラが入っている。
現在便宜上APと名付けられている初代機だ。
初代機だからペンタックスという名前はあっても型名はなかった。
この次からK,S,S2,S3,SV,SPなどの型番が付く。
「¥200」といわれ。。。ミラーが上がりっぱなしでシャッター異常の物であったが購入を決定。
¥4.000という大金は持ち合わせていなかったので1週間待ってもらっていたのだ。
本日仕事のついでに寄り、請け出してきた。
次の仕事場に早く着いたのでガチャガチャ動かしていると、ミラーが下がる時があった。
おやおや、、、よく見ると後幕がちょっと顔を出したり。。。
後幕を引っ張るとミラーが下がる。
たま~~にゆっくり引っかかりながら後幕が走行する。
というわけで、金持ちであれば修理に出せば良いのだが、子供が生まれてから中古ガラクタカメラも購入の余裕無く、修理などまた夢の夢。。。
安直な禁じ手でシャッターが走行するようにした。
精度が出ているか、今後も動き続けているかは不明だ。
安くあれば欲しいなと思っていたカメラであった。
昭和32年から50年まで続いたオールドペンタックスは繊細さがとても人気のある機種だ。
頑丈という感じは無いが手に握った感じがよく、愛用者が大変多く今でもファンは多い。
それのオリジナルである初代機に私はひそかに思いを寄せ続けていた。
PENTAXのネームの上の曲線、巻き上げレバーの形状などは初代からと同じであり、時代遅れになっていた42mm径のねじ込みマウント(M42)をかたくなに維持したが1975年に次世代のK2などにバトンタッチした。
中でも1964年に発売のSPOTMATIC(SP)は生産台数も多くベストセラーになり愛され、現在もファンが多い。
しかしSPから一回り大きくなり華奢さは少なくなったが、どうもそれ以前のほうが私の手にはしっくり来る。
というわけでSPの1個前SVは随分使った。このカメラも生産数は多い。
この手になじみ、使い易い魅惑的なオールドペンタックスで魅力はそのままにもっとクラシカルな物は無いか。。。
初代(AP)からS2くらい(1957~1961年頃)まではフィルムカウンターも手動セット、レンズの絞りも自動絞りではなくプリセットかオートプリセットである。
1987年にS2を使っていたが実に楽しかった。当時既に25年前のカメラだった。
シャッターを切るとファインダーの画像は暗くなり、その状態を解除するためにレンズの基部のればーをガチャっとさげるそうすると絞りは開放になりファインダーは明るくなる。
K,S2に採用されたオートプリセット式のものは使っていて楽しいものがある。
1枚撮るごとにレバーをガチャ。フィルムの巻き上げレバーとはまた別だ。
であるから今回の初代機より次の1958年の高級型のKの方がオートプリセットレバーの快楽が有るのでKはいつかほしいなぁ。初代とKは、さらに2軸式回転式ダイヤルで、そこら辺もクラシカルでよい。
この初代機オリジナルのペンタックスは型番が無かったから型番は刻印されていない。実に潔い。
スローシャッターの徳はボディー全部のシャッターダイヤルを、高速の時はボディーの上のシャッターダイヤルを。高速ダイヤルは持ち上げて回転させセットさせなければならず、シャッターを切るとクルっとまわる。
初代機は当然K,S2のようにレンズ基部のガチャガチャレバーが無い。
もっと原始的なのだ。プリセット絞りという奴で、形状は至ってシンプル。
かえってSVスッキリしている。
シャッターダイヤルや、手動セットフィルムカウンター、プリセット絞りなどの違いはあるがSVと使用感は変わらない。感触が一緒なのだ。
テーマ:本日の仕入れ - ジャンル:写真
2011/11/06(日) 11:39:32 |
本日の仕入れ
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